ヒヨケザル

小学生の時、図書室の動物図鑑に不思議な動物の絵を発見した。名前は「ヒヨケザル」。
犬に似た頭部で、ムササビやモモンガのような皮膜がある。こんな動物は動物園でも見たことがない。名前に「サル」がついているがサルではないと書いてあった。

ずっと後になってNHKのTVでヒヨケザルを撮影した番組を見た。
皮膜を張って樹間を滑空していた。実に不思議な姿をしている。こいつは何者だろうか?

この動物について先日新しいニュースがあった。
実は「サル」に近い動物だったらしいのだ。以下にそのニュースを引用する。


霊長類に近いのはヒヨケザル=東南アジアに生息-遺伝情報解析で判明・国際チーム

11月2日5時1分配信 時事通信

 哺乳(ほにゅう)類の中で、ヒトやサルなどの霊長類に最も近いのは、東南アジアの森林に生息するヒヨケザル類である可能性が高いことが分かった。米テキサスA&M大などの国際研究チームが遺伝情報を解析し、2日付の米科学誌サイエンスに発表した。
 ヒヨケザルは名前と違ってサルの仲間ではなく、ムササビやモモンガに似ており、夜間に木の間を滑空する。飛膜が前脚と後ろ脚の間だけでなく、首や尾と脚の間にもあるのが特徴。

(引用終わり)


この記事によるとヒヨケザル類は霊長類に「最も近い」ということである。他にどんな動物を霊長類と比較したのかは書かれていない。また、「サルの仲間ではなく」と記事では述べているが、下記Wikipediaによるとヒヨケザル類を霊長類に含める見解が有力になりつつあるということである。以前「ラフレシア」についての投稿で書いたが、今後、遺伝子解析で従来の分類が根本的に書き換えられる事例が続発することだろう。

Wikipedia「ヒヨケザル」

ヒヨケザルの姿は次のリンク先でご確認ください。

樹木につかまったヒヨケザル

滑空するヒヨケザル

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生物と無生物のあいだ

気になっている本があった。

福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)という本だ。いつかは読みたいと思っていたのだが、そのままにしていた。しかしあるTV番組を見たことがきっかけで、本を買って読んだ。NHKの「爆笑問題のニッポンの教養」という番組である。お笑いの「爆笑問題」が様々な分野の学者にインタビューをする番組だが、これに著者の福岡伸一氏が出演していた。この番組で福岡氏は「生命とは動的平衡である」ということを述べていた。これまでに聞いたことのない生命観だった。直ちに本を読まねばなるまい。

著者は現在青山学院大学教授の生物学者である。かつてアメリカのロックフェラー大学やハーバード大学で研究員をしていた。この本では様々な研究者を登場させながら20世紀の生物学史を叙述していく。とは言っても決して教科書的な文体ではない。小説的と言っていいような文体で書かれている。

一般には無名の一人の研究者が登場する。その名はルドルフ・シェーンハイマーという。1930年代後半にある極めて重要な実験を行った。その後、1941年に自死している。この実験とその結果については本を読んでいただきたい。そこで導き出された結論こそ、「生命とは動的平衡である。」というものである。

福岡氏は「動的平衡」について巧みな比喩で素敵な文章を書いている。かなり長いがそのまま引用しておく。題して「砂上の楼閣」。


遠浅の海辺。砂浜が緩やかな弓形に広がる。海を渡ってくる風が強い。空が海に溶け、海が陸地に接する場所には、生命の謎を解く何らかの破片が散逸しているような気がする。だから私たちの夢想もしばしばたゆたい、ここへ還る。

ちょうど波が寄せてはかえす接線ぎりぎりの位置に、砂で作られた、緻密な構造を持つその城はある。ときに波は、深く掌を伸ばして城壁の足元に達し、石組みを模した砂粒を奪い去る。吹き付ける海風は、城の望楼の表面の乾いた砂を、薄く、しかし絶え間なく削り取っていく。ところが奇妙なことに、時間が経過しても城は姿を変えてはいない。同じ形を保ったままじっとそこにある。いや、正確にいえば、姿を変えていないように見えるだけなのだ。

砂の城がその形を保っていることには理由がある。目には見えない小さな海の精霊たちが、たゆまずそして休むことなく、削れた壁に新しい砂を積み、開いた穴を埋め、崩れた場所を直しているのである。それだけではない。海の精霊たちは、むしろ波や風の先回りをして、崩れそうな場所をあえて壊し、修復と補強を率先して行っている。それゆえに、数時間後、砂の城は同じ形を保ったままそこにある。おそらく何日かあとでもなお城はここに存在していることだろう。

しかし、重要なことがある。今、この城の内部には、数日前、同じ城を形作っていた砂粒は一つとして留まっていないという事実である。かつてそこに積まれていた砂粒はすべて波と風が奪い去って海と地にもどし、現在、この城を形作っている砂粒は新たにここに盛られたものである。つまり、砂粒はすっかり入れ替わっている。そして砂粒の流れは今も動き続けている。にもかかわらず楼閣は確かに存在している。つまり、ここにあるのは実体としての城ではなく、流れが作り出した「効果」としてそこにあるように見えているだけの動的な何かなのだ。

(引用終わり)


これが何の比喩かおわかりだろうか?

「砂粒」は自然界を循環する水素、炭素、酸素、窒素などの主要元素であり、「海の精霊」は生体反応をつかさどる酵素や基質である。そうだとすれば「砂の城」とは生命そのものということになる。

私という存在は1年前も現在も同じようにここにあると我々は思い込んでいる。しかし原子のレベルでは1年前の私と現在の私はまったく別物なのである。「私たち生命体は、たまたまそこに密度が高まっている分子のゆるい淀みでしかない。しかもそれは高速で入れ替わっている。この流れ自体が生きているということである。」

この生命観は仏教の「色即是空、空即是色」、あるいは「諸法無我、諸行無常」という言葉を想起させる。

「動的平衡」としての生命観は生命の本質に肉薄していると思う。しかしこの本でも「動的平衡」がどのような原理で維持されているのかについての説明は十分ではないように思う。ジグソーパズルの比喩を使っての説明はあるが、何故そのようなジグソーパズルができあがっているのかの説明はなお不十分だ。

そして生命誕生以前の世界から「動的平衡」としての生命現象がどのようにして立ち現れれてきたのか、についての解明はまだ遥かな先であろう。

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セミの鳴き声

私の住む福岡市では12日からツクツクボウシが鳴き始めた。このセミの声を聞くと夏が終わりに近づいたことを感じる。たとえ気温が35℃あろうとも。

私は小学生時代の数十年前に佐賀から福岡に越してきた。その当時福岡では7月になるとまずニイニイゼミが鳴き始め次いで梅雨明け頃(即ち夏休みが始める頃)にアブラゼミの声が聞こえ始めた。最後にツクツクボウシが立秋を迎える頃から秋の彼岸の頃まで鳴き続ける。

当時は佐賀でのセミの王者であったクマゼミ(佐賀ではその鳴き声から「ワシワシゼミ」と呼んでいたのだが)はまだ福岡には生息していなかったようだ。それが中学生になった頃からクマゼミの鳴き声を聞くようになったのだが、現在は福岡のセミの主役はクマゼミである。

このクマゼミが日本列島を北上し続けているという。温暖化の影響という説が有力であり、またこのセミは都市化に適応しやすいとも言われている。今年は関西圏で大発生したという。

クマゼミの”ワシワシ・・・・”という鳴き声を「うるさい」という人が多い。私にはそれが理解できない。私はクマゼミに限らず全てのセミの鳴き声を偏愛する。様々なセミが大音量で鳴く空間の中にいると私という存在が融解しセミの鳴き声と同化する。ほとんど”瞑想”と呼ぶべき精神状態に入ることができる。セミの鳴かない夏など考えることもできない。だから鳴き始めが遅い夏など、「もしかすると今年はセミが鳴かないのではないのか」と危惧するようになる。「Silent Summer」という不吉な言葉が頭をよぎる。その後「ワシワシ・・・・」の声を聞くとホッとするのだ。

西行の「願わくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月の頃」の和歌になぞらえるならば、私は夏のセミの大合唱の中で死にたいと思う。その時私は無数のセミの鳴き声として生まれ変わるとができるように思うのだ。


セミの鳴き声はこちらで聞くことができます。
日本のセミの鳴き声

続きを読む "セミの鳴き声"

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ヨウスコウカワイルカ

今月に入って荒川水系で目撃されてきたカマイルカが死んで発見されたという。以下読売新聞から転載する。


東京・荒川のカマイルカ、新河岸川に死んで浮かぶ

東京都北区の新河岸(しんかし)川の水面にイルカが浮いているのが13日朝、見つかった。
 発見者からの通報を受けた都建設局の巡視船が同日午前10時10分、同川の下流で合流する隅田川で確認し、職員が清掃船に引き揚げたが、既に死んでいた。都内の荒川などでは今月に入りカマイルカがたびたび目撃されており、都では死んだイルカと同一とみている。体長約2メートルで、全身に泥がついていた。
 京急油壺マリンパークのイルカ担当飼育員は「海水から河川に環境が変わることで、ストレスから体力が落ち、感染症にかかるリスクが増える。えさも変わり、生存が難しくなる可能性はある」と話している。 (2007年8月13日13時45分 読売新聞)


本来海水中で生活するカマイルカは、全く環境が異なる淡水中では生きていくことが困難なのだろう。一方、地球上には淡水で生活するイルカも存在する。その一つ、ヨウスコウカワイルカが絶滅したという記事を数日前に見つけた。産経新聞から転載する。


「長江の女神」ヨウスコウカワイルカ絶滅、人為は有史以来初

【ロンドン=木村正人】「長江の女神」ともいわれる希少種の中国・長江(揚子江)の淡水イルカ「ヨウスコウカワイルカ」について、日・中・米・英の研究者による調査チームがこのほど、英王立協会の生物学専門誌で「おそらく絶滅した」との見解を発表した。これまでも三峡ダム建設などによる環境破壊が指摘されてきたが、クジラやイルカの種が人間の営みが原因で絶滅したのは有史以来初めてという。
 調査チームは昨年11月から12月の6週間、同イルカが生息しているとみられる長江の水域延べ3500キロメートルを調査したが、生存を確認できなかった。メンバーの1人でロンドン動物学協会の生物学者、サミュエル・タービー氏は「ヨウスコウカワイルカは絶命した。こんなに希少でカリスマ性のある種を失うのは大変な悲劇だ」と語り、地球の環境保護の大切さを強調した。
 同氏によると、前回の調査は1997~99年に行われ、13頭の生存が確認された。同イルカの捕獲例は02年が最後で、乱獲や環境汚染、保護活動の不十分さから絶滅が危惧(きぐ)されていた。 (2007/08/10 10:23)


「長江の女神」という名前は、長江で亡くなった女性の生まれ変わりという伝説にもとづくという。(「朝鮮日報」記事参照)

また、ヨウスコウカワイルカは『西遊記』の沙悟浄のモデルという説もある。(岩波文庫版『西遊記』の翻訳者・中野美代子氏はヨウスコウワニ説)

ヨウスコウカワイルカは1950年代には数千頭生存したと見られるが、減少が続き、中国政府によって1979年に絶滅危惧種に指定されている。しかしその後も生息頭数は減少し続け、1990年には20頭が確認されたのみであった。

しかし中国政府は有効な保護策をとるどころか、最後の引導を渡す愚行をしでかす。1994年に本工事が開始された三峡ダムの建設である。この巨大ダムは流域環境に破壊的な影響を与えることが指摘され、ヨウスコウカワイルカの絶滅が懸念されたが、そのとおりの結果となってしまった。こうして地球上の仲間であった動物がまた一つ失われてしまった。日本でも人間活動によって「トキ」という種(学名「ニッポニア・ニッポン」)を絶滅させてしまった経験を持つ。(皮肉なことに中国産トキによる復活プロジェクトが進められているのだが。)もうこれ以上野生生物を犠牲にして経済発展を図ることは許されない。

ヨウスコウカワイルカの画像(在りし日のかわいい姿を偲ばれたい。)


【関連リンク】
ヨウスコウカワイルカ(Wikipedia)

沙悟浄(Wikipedia)

三峡ダム(Wikipedia)

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ツボカビ症

世界中で両生類に壊滅的な打撃を与えてきた「ツボカビ症」が日本国内でも確認されたと報じられている。(例えば朝日新聞「両生類絶滅させるカエル・ツボカビ症、国内で初確認」)本日付の「朝日新聞」でも、「ツボカビ症 カエルの危機は人の危機」という社説を掲載した。
「ゲロゲロ、困ったな。ぼくたちカエルの一族と両生類の同胞が、絶滅の危機だというではないか。ツボカビ症という皮膚病が地球のあちこちで猛威をふるっているようだ。」というカエルの言葉で書き出している。

この病気はツボカビという真菌(カビ)の感染によって発症する。もともとアフリカのカエルに起きていた病気だということだが、このカエルが人間の妊娠判定に使われるために輸出され、それにともなってツボカビも世界中に広がってきた。さらにペットブームによりカエルの感染が増えたということだ。
日本野生動物医学会世界自然保護基金(WWF)ジャパンは共同で出した「カエルツボカビ症侵入緊急事態宣言」の中で「むやみに野生の両生類をペットとして飼育することは慎んで」と訴えている。

近年、カエルが世界的規模で激減しつつあると報じられてきた。その原因の一つがツボカビ症ということだろう。他にも酸性雨・化学物質などの複数の原因が複合していることが考えられている。確かにカエルの姿を見ること、その声を聞くことは最近ほとんどなくなった。皆さんはこの一年間にカエルを見かけられたことはあるだろうか?

カエル以外の小動物たちも私達の周りから急速に姿を消しつつある。私の幼少期に普通にいた、アメンボ、ゲンゴロウ、ミノムシ、クモ、チョウなど最近ほとんど見かけない。

これまで地球は5回の生物種の大量絶滅を経験している。現在6度目の大量絶滅が進行しつつあると指摘する学者もいる。そして今回の大量絶滅には人間が関与している可能性が大きい。

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ダイオウイカ

ダイオウイカ(英名Giant Squid)についてのニュースを「読売新聞」の記事に見つけた。その記事を引用する。


(引用開始)

今冬なぜか4例目、出雲の漁港でダイオウイカ水揚げ

島根県出雲市の田儀港で足を含めた全長6・73メートルの「ダイオウイカ」が見つかり、24日、研究のため東京・上野公園の国立科学博物館に運ばれた。

 同博物館によると、日本海沿岸では2年に1匹程度しか揚がらないが、昨年12月から4例目となり、同博物館の担当者は「特異なことで、はっきりした理由はわからない」と首をひねっている。

 イカは胴長1・35メートル、重さ70キロ。出雲市の漁師、田中久義さん(72)が23日夕に港に戻る途中、海面に漂っているのを発見した。既に死んでいたが、比較的新しい状態だったという。

 ダイオウイカは温かい海域の水深600~1200メートルに生息。同博物館によると、沖縄周辺のイカが対馬海流に流され、日本海の水の冷たさで弱って浮いてきた可能性があるという。

(2007年1月25日0時14分  読売新聞)

(引用終わり)


近年、日本近海でのダイオウイカの発見事例が相次いでいる。

(それらの新聞記事が投稿されたサイトにリンクするので参照されたい。
「ダイオウイカの深海での生態…国立科博チームが初撮影」(読売新聞)
「ダイオウイカの生きた姿をビデオ撮影 国立科学博物館」(朝日新聞)

ダイオウイカはその巨体にもかかわらず深海に生息するためほとんど目撃されることのなかったイカである。伝説の海の怪物「クラーケン」のモデルともされている。その幻のイカが昨年12月から既に「4例も水揚げされた」と引用した「読売新聞」記事に書かれている。その理由は明らかではないようだが、何らかの生息環境の変化が背景にあるのではないだろうか。

【関連リンク】

「ダイオウイカ」Wikipedia
ダイオウイカGiant Squid

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不都合な真実

映画「不都合な真実(原題・An Inconvenient Truth)」を見た。

この映画はアル・ゴアの地球温暖化に関する講演記録をもとにして製作されたものである。

アル・ゴアはクリントン政権の副大統領であり、2000年の米国大統領選挙でジョージ・ブッシュ現大統領に敗れた(もっとも得票数ではブッシュを上回っていたし、勝負を決したフロリダでの投開票は疑惑を持たれている)人物として多くの人に記憶されているだろう。

映画でアル・ゴアは、南極の氷床の分析により過去数十万年間の大気中のCO2量と気温とが相関関係にあることを述べる。そして現在、CO2の量が過去最高水準に達しており、さらに急速に上昇しつつある様子をグラフで示す。

そしてそれによって地球上で、海面上昇、ハリケーン・台風の巨大化、熱波の襲来といった様々な危機が進行しつつあることが示される。(石油資本などに支援された政治家達はこうした事態を認めたくない。そのためこの映画は「不都合な真実」と名づけられている。)数十年前と最近の様々な氷河の写真の比較(氷河が大きく後退している)は、温暖化の進行を如実に示している。

CO2排出量の削減を目的とした「京都議定書」を現ブッシュ政権は批准していない。また議定書を批准した日本でもCO2排出量は増え続けている。このままでは危機は破局的なレベルにまで進行するだろう。

映画ではどのようにしてCO2を削減していくかという処方箋は明確には示されていない。そのためには技術開発とともに生活や産業のあり方を根本的に変えていくことが必要なのだろうが、その覚悟が我々には十分ではない。

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ラフレシア

昨日の「朝日新聞」でラフレシアの分類についての興味深い記事を見つけたので、以下に全文を転載する。


(引用開始)
ラフレシアはポインセチアの仲間 米グループが判定

2007年01月12日10時31分

 世界最大の花「ラフレシア」は、意外にも、ポインセチアなど花の小さな植物がほとんどを占めるトウダイグサ科に属すると、米ハーバード大などのグループが11日付米科学誌サイエンス電子版で報告する。葉や茎がないため形態からの分類が難しく、発見から約190年も中ぶらりんの状態だったが、DNAの解析から判定した。

熱帯アジアに分布するラフレシアは、ブドウ科植物の根に寄生し、光合成をしない。直径1メートルにもなる花で知られるが、他の植物との類縁関係がよくわからないため、独立したラフレシア科として扱われてきた。

 グループは、細胞内の小器官ミトコンドリアの遺伝子を中心に、ラフレシアを他の植物と比べ、トウダイグサ科の仲間と位置づけた。「この科の植物はほとんど花が小さく、ラフレシアの花がなぜこれほど巨大化したのか、進化の謎はかえって深まった」としている。

(引用終わり)


ラフレシアについてご存じない方は「朝日」のオリジナルの方にリンクしていただければ、写真を確認することができる。ポインセチアについて知らない方はおられないだろう。言わずと知れた「クリスマスの花(実は花のように見えるのは「葉」なのだが)」である。

この2種の植物が近縁であることがDNA解析で明らかになった、ということだから驚かされる。これまでの分類学は形態的な特徴を生物分類の根拠としてきたが、新しい分類学はゲノムの分析から生物の類縁関係を類推する。このため見かけが大きく異なる生物が実は「お仲間」だったということがこれから次々に明らかになるだろう。

それにしても、ラフレシアとポインセチアの共通祖先から分岐して、これほどまでに大きく異なる外見を持つに至る「進化」とは何であるのか?興味は尽きない。

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イノシシ2

昨日、イノシシの写真をUPしたので、もう少しイノシシについて書いてみよう。

イノシシ(学名Sus scrofa)は分類学的にはウシ目(偶蹄目)・イノシシ科に分類されている。世界に30ほどの亜種がある。日本列島では、本州・四国・九州に生息する「ニホンイノシシ」と奄美以南の南西諸島に生息する「リュウキュウイノシシ」が存在する。

イノシシと日本列島の住民との関係は古く、弥生時代の遺跡からは弥生人たちが食用にしたと見られる”イノシシ”の骨がしばしば出土する。学界ではこの骨がイノシシのものなのか、それともブタのものなのかが論争となっている。

イノシシとブタとを分かつものは何か?それはその動物が野生のものなのか、それとも飼われていたものなのかということなのだが、それを出土した骨から確実に見極めることは困難なことなのだ。(この辺の事情は「日本海新聞」に井上 貴央 氏が連載されている「青谷の骨の物語」の中の「イノシシの家畜化」を参照されたい。)

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